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小説執筆に必要な知識(3)

 CM運営チームの秋人です。
 第三回目となる本稿ですが、今回と次回、最終回に掛けては描写テクニックにまつわる知識ではなく、実際に執筆に必要になるであろう基礎知識応用の利く知識とはなんなのか? と言う点に絞ってお話しようと思います。

 つまらない話ばかりになりますが、よろしくお願いしますね?

 今回は何を基礎知識とするかについてお話しましょう。

 まず、基礎知識としては本稿第一回でも触れましたが、義務教育課程までの国語であることは言うまでもありません。しかし、 そのほかにも知らなければならないことがあります。

 それは、貴方が書くジャンルに関する知識。 そしてそのジャンルの対極の位置を占める側の知識です。 なぜそれを知らなければならないのでしょうか。例を挙げて説明します。

 仮に貴方が書くジャンルが剣と魔法のファンタジーだとしましょう。 ありがちなストーリーをつけるのであれば、現代世界の住人である主人公が、 中世風の異世界に迷い込む… なんて筋書きがあってもいいかも知れませんね。
 さて、この世界で主人公は当然、 現代と異世界との文化差に驚きや戸惑いを覚えることでしょう。そして、同時に異世界の住人達も主人公に対して違和感を覚えるに違いありません。
 ですが、書き手が異世界の住人の覚える違和感や、主人公が覚える戸惑いを書くかについては中世欧州の知識と、現代先進国の文化・風習を比較し、どこに違和感を覚え、 どこに戸惑いを覚えるかを考える必要があります
 なぜ、相対する二つの知識が必要なのか。それは、どちらの世界や意識に視点を当てるにせよ、 絶えず相対する二つの概念は比較されてしまうからです。また、それらをより深く理解することで、自らの思い込みを是正することが出来ます

 例えば、中世欧州について深く知識を得たならば、比較される現代社会や、 或いは同時期に中東で盛んだったイスラームの文化にも目を向け、精度の高い知識を吸収することが要求されます。
 また、現代精密機械工学や、ITに代表される電子産業分野について深い知識を得たならば、 エジプトにあったといわれる聖水販売機や活版印刷、或いは錬金術や初期の基礎科学についての知識を吸収すれば、 現代にいたる発想への要素を見出すことも出来るでしょう。

 適当な言葉ではありませんが、温故知新と言う言葉もあります。
 物書きには、広く浅く、そして浅いながらも間違いの少ない知識が度々求められます。それを確実に学び、自分の作品にフィードバックする際にもっとも基礎的な文章力が始めて正しく求められるのです。

 いよいよ、あと二回になってしまいますが最後までおつきあいくださいませ。

 

(筆者からのお題)
 貴方が専門としているジャンルと正反対の知識を総動員して2000字 (400字詰め原稿用紙5枚程度) の掌編を書いてみましょう。 なるべくなら、下調べもしないまま書いてみましょう。書き終わったら、使った知識が正しいものか、 或いは足りなかったところは何か調べてみましょう。

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